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思考の翼

「思考の翼」
2016/08/11
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本体はビオトープ、台座はコルキーを使用。

混沌とした物事(=下部の折り筋)を思考力(=幅変換)により整流することで翼を得るさまを表現した。 この作品の展開図や、幅変換構造もまた作者の思考の産物である。

以下、この作品を作るにあたって考えたことを書きます。


この作品を作る一番のモチベーションは、不純だと思いますが、「これまで発見した幅変換構造などをどうにかして作品に活かしたい」というものです。

私が幅変換構造などの構造を見つけるモチベーションは、純粋な興味(数学的な興味に近いと思います)です。
しかし、多くの折り紙創作家たちにそういう構造を見せると、「その構造って作品にどう活きるの?」と言います。
そういう方々にも私が発見した構造を評価してもらうには、実際に作品へ応用することが必要なのだと思います。

また、私が作品を作る時は面白い構造を入れた方が楽しく作れるというのも、面白い構造を作品に取り入れる大きな原動力です。

神谷哲史さんや今井幸太さんは、面白い構造を取り入れて作品を作るのがとてもうまいと思います。
しかし、私には技術や能力が全く足りておらず、構造の面白さと作品になっていることの両立ができずにいます。

そういう訳で、面白い構造を使って作品を作るアプローチを探っていました。

今回の「思考の翼」では、そういった構造を思考のメタファーとして用いるという使い方をしました。
これは私の知る限り今までにされたことのないやり方だと思います。
そして、造形や紙効率に活きるものではない、新しい視点の使い方だと思います。


この作品の造形について書きます。

もともと天使を折りたいと思っていて、翼の試作ができていました。
せっかくできた翼を何とかして作品に活かしたいと思っていたところで、「思考の翼」のコンセプトを思いついたので、ちょうどいいから天使の見た目にしようと思いました。

頭部は、蛇腹のカドがフードのように見えたので加工せずそのまま頭に見立てました。
胸部は、試作の段階では一番最後まで意識していなくて、何とか仕上げをひねり出しました。
腰から下に垂れている布は、ギリシャ彫刻を参考に形を決めました。見た目がパリッとすると思ったので、紙を皴にしたりふにゃふにゃにしたりして仕上げるのではなくて、折り筋で仕上げるようにしました。作品のコンセプトの都合上、なるべく規則性のない折り方(カオスのメタファー)になること、下の方がより折り線が増えること(最下層のカオスが徐々に整流されていくことのメタファー)を意識しました。
翼は、試作ではもっと折り込むバージョンもあったのですが、プレーンな構造の方が整流された感じが出ると思い、仕上げをしないバージョンを採用しました。

また、美しい造形にすることを心がけました。
本作のような抽象作品の場合でも、美しい造形にした方が良いのではないかと今の私は考えています。
まず美しさがないと、作品を見てもらうというスタートラインに立てないことがあると思うためです。


この作品と展開図の関係について書きます。

冒頭でも書いた通り、この作品の「紙で折ったモノ」の展開図は私の思考の産物であり、作品のテーマである「思考することで得られる可能性」を表しています。
ですので、私にとっては「思考の翼」という作品は、「紙で折ったモノ」と「展開図」がセットになって作品だと思っています。
台座を2つ横に並べて展示したのはそういう意図があります。

そのような思想で作った作品なので、折り上がったモノと展開図両方を併せて展示する必然性があります。

このように、折り上がったモノだけでなく展開図にも意味を込めるという作品作りは面白いアプローチではないでしょうか(別に他の人にもやって欲しいという訳ではないです)。
また、折り紙だけでない色々な表現方法の中で見た時、展開図(折り紙以外の表現方法の場合は設計図)に大きな意味合いを持たせられるのは、折り紙ならではの現象で面白いと思います。


そんなことを考えながらこの作品を作りました。


最後に改善点を述べてこの記事を終わりにしたいと思います。

抽象的な表現を意欲的に行っているファツィ折りからは、翼の向きは横向きにすべきだという意見をもらいました。
もっともだと思います。
余計な仕上げをしないと作例のように後ろを向いてしまいます。
上部の構造はなるべく仕上げを増やしたくないのですが、バランスを取りながら改善したいと思います。

小松英夫さんからは、展開図下部の構造で、どこが幅変換か分かりにくいというのと、展開図上部と下部の対比がうまくないという指摘を頂きました。
その通りだと思いますので、改善したいです。


それでは失礼します。

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プロフィール

レオンハルト

Author:レオンハルト
創作折り紙や折り紙設計理論をやります。
数学や小説なども好きです。
なお、当ブログはリンクフリーです。リンクして頂いた場合、お礼を申し上げたいので連絡を頂けるとありがたいです。

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