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折り紙骨格論のpdf(改)

以前今年夏発表した、設計法の解説文書まとめで公開した折り紙骨格論のpdfを改稿しました。

・OneDrive版:「骨格」から見た折り紙設計
・Google Drive版:「骨格」から見た折り紙設計

主な修正点は、「はじめに」を加筆したことです。
置かれている状況がより分かりやすくなるように努力しました。ご覧頂けると幸いです。

「はじめに」の部分は、私がここ2年弱で整数比角度系から骨格という概念に至った経緯を述べています。
いい機会なので、ここにコピペしておきます。


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「骨格」による設計法のメリットを述べる.

「骨格」を考えると,展開図の一部のみを変更しやすくなる.
骨格は「特定の傾きの折り線で作られた閉曲線(多角形)」として定義される.この閉曲線を変形することで,展開図の全体を変えずに一部だけ変えることが考えやすくなる.この「閉曲線の変形」というテクニックは例えば,同じ面構成を持つ構造のうちでなるべく単純なものを得たい時や,カドの出方を変更したい時などに有用である.

「骨格」を考えることで,部分試作したいくつかの構造を接続しやすくなる.これは,「骨格」を考えることにより,展開図を得られる確実性が増すためである.

また,「骨格」による設計法を22.5度系に適用することで,横分子をコントロールしやすくなる.これは,「骨格」による設計法が横分子蛇腹法の一般化と捉えられることと関係がある.
この22.5度系に適用した「骨格」による設計法により,これまで知られていた一値分子による設計法の,思うようにカドを出しにくい(横分子をコントロールしにくい)という弱点をカバーすることができる.22.5度系での「骨格」による設計法の具体例は,筆者によるTwitter上の解説のまとめ「骨格」による、22.5度系での横分子設計法 を参照してほしい.

「骨格」は,与えられた角度系で平坦折り可能な展開図が(ある程度の数)存在することを説明する.これにより,従来は前川紙に見られる交点の縮重などにより説明されてきた,角度系で折り紙設計がしやすいという事実に対して,別なアプローチでの説明を与える.

「骨格」による設計法ができるような角度系が満たすべき条件を与えることにより、その条件を満たすような新しい角度系を発想できる。これにより筆者は、ヘックスプリーツでの神谷パターンなどを含む、整数比角度系のヘックスプリーツバージョンの角度系を発見した。



「骨格」を考えるに至ったいきさつを述べる.

2013年頃から,今井幸太氏により神谷パターンの変形構造(神谷パターンの切断(下図)など)が発見された.
kamiyacut.png
この構造はそれ以前に知られていた神谷パターンよりも自由度の高いものであり,蛇腹系折り紙に新たな可能性を与えた.この構造には,展開図上の折り線の傾きが0,1,2,3,3/4であるという特徴があり,それ以前に知られていた蛇腹系,22.5度系,15度系などとは異なるものである.今井幸太氏により発見された構造は,それ以前はあくまで蛇腹系の1つの技術という認識が強かった神谷パターンを超えた自由度があることから,「新たな角度系」であるという印象を筆者は抱き,これを「整数比角度系」と呼ぶことにした.

整数比角度系の構造を得る素朴な方法として、1頂点から放射状に折り線が伸びる平坦折り可能なパターンを組み合わせて描くというものがある。これは言わば最も原始的な方法である。
より便利な方法として、まず傾きが2,3の折り線を描き,その次にその他の傾きの折り線を描くという順序で展開図を描く方法を筆者は発見した.傾き2,3の折り線に着目する方法は,整数比角度系の展開図の横分子図を考えると自然に現れる.蛇腹系の展開図の横分子図は,45度の折り線のみを書くことで略記できる(下図).
bpcp.png
bpryakki.png
同様に,神谷パターンや,上で述べた神谷パターンの切断の横分子図は,45度の折り線と傾き2,3の折り線で略記することができる(下図).このことにより傾き2,3の折り線に着目することが有効そうだというアイディアが湧く.
kamiyacutryakki.png

上で述べた構造では,傾き2,3の折り線は閉曲線になっている.実はこれは,任意の平坦折り可能な整数比角度系の展開図で成り立つ.この事実から,まず傾き2,3の折り線で構成された閉曲線をいくつか描き,それに傾き0,1,3/4の折り線を描き加えるという方法ですべての整数比角度系の展開図が得られることが分かる.これにより,「特に閉曲線を描くことにしても漏れる展開図はない」ことが分かるので,作業の効率が上がる.

以上で述べた,整数比角度系の展開図において傾き2,3の折り線が満たす「略記横分子図に現れること」と「閉曲線になること」は,蛇腹系の展開図において45度線が満たす性質でもある.このことから,蛇腹系の場合で整数比角度系の類似の設計法を考えると,横分子蛇腹法がおおよそそのようなものであることが分かる.実際,横分子蛇腹法(の一部)は次の手順を行うものだと考えることができる:

1.横分子と,それに対応する45度線を展開図に描く(ここで,45度線が略記横分子図に現れることを用いている).
2.横分子が狙ったものになるように気を付けながら,45度線をつなぐ(ここで,45度線が閉曲線になることを用いている).

なお,この観点から横分子蛇腹法を解説したプレゼンテーションを筆者は作成した(「0から始める蛇腹設計」、今年夏発表した、設計法の解説文書まとめからプレゼンと演習問題をダウンロードできる).

以上のことから,この「傾き2,3の折り線(あるいは45度線)に着目する」方法を、整数比角度系と蛇腹系以外の角度系でもできないか,という疑問が湧く.そのような方法ができる角度系は,特定の傾きの折り線が「略記横分子図に現れること」と「閉曲線になること」を満たしていれば良い.本稿では,この2つの条件を満たすのに,展開図に現れる角度全体の集合が満たすべき代数的な条件を与えることを目標にした.これは,「閉曲線になること」について条件を与えることは達成できた(180/n度系,蛇腹系,整数比角度系は本稿で与えた条件を満たすため、これらの角度系で「骨格」による設計法をある程度適用できることが分かる)が,「略記横分子図に現れること」についてはまだ達成できておらず,今後の課題である.

ここで満たすべき条件を代数的なものとした理由を述べる.前川淳氏に端を発する従来の「$180/n$度系」で折り紙ができる理由の1つに,展開図に現れる角度が群をなすという事実が知られていた(小松英夫氏により編集された、目黒俊幸氏の「ようこそ折り紙のホームページへ 掲示板過去ログまとめ」の「角度系」の項http://origami.gr.jp/~komatsu/etc/meguro-bbs-log/2007-02-18.html).しかし,整数比角度系の展開図に現れる角度は群にならない.そのため整数比角度系は,群よりも弱い条件を満たす場合でも折り紙ができる例になっている.群の公理が代数的な条件であることから,この「整数比角度系が満たす群より弱い条件」も代数的な条件として書き下すのが考えやすいと考えた.
この「整数比角度系が満たす群より弱い条件」を,先ほど述べた「特定の傾きの折り線が「略記横分子図に現れること」と「閉曲線になること」を満たす条件」だと思うことにして,後者の条件も代数的に書き下すことにしたのである.

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「骨格」による、22.5度系での横分子設計法

オオクワガタの創作工程を解説したツイートを、togetterにまとめました。

「骨格」による、22.5度系での横分子設計法

「骨格」による設計法の実例を解説する足掛かりになったかと思います。
22.5度系での幅変換を埋め込むあたりがお気に入り。

オオクワガタ

オオクワガタを折りました。
2015/9/11制作。

2015091018350000.jpg
2015091018350001.jpg
2015091018370000.jpg

展開図。正8角形ベースの22.5度系。

オオクワガタ 展開図2

「骨格」というものを考えることで創作した。
創作過程のまとめについては、「骨格」による、22.5度系での横分子設計法を参照のこと。
プロフィール

レオンハルト

Author:レオンハルト
創作折り紙や折り紙設計理論をやります。
数学や小説なども好きです。
なお、当ブログはリンクフリーです。リンクして頂いた場合、お礼を申し上げたいので連絡を頂けるとありがたいです。

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